診察室で、お医者さんにこう言われました。
「症状が落ち着いてきたので、薬を毎日ではなく、少しずつ間隔をあけて減らしていきましょう。まずは2日に1回。それで大丈夫なら3日に1回。もし症状が出たら、ひとつ前の飲み方に戻してください」
なるほど、と診察室では納得して帰るんです。問題はそのあとでした。
2日に1回って、意外と飲み忘れるんですよ。「あれ、最後に飲んだのは昨日? 一昨日?」 カレンダーアプリに通知を入れてはみたものの、それでも飲み忘れる。しかも症状が出て「ひとつ前に戻す」となると、3日に1回で組んだ通知を2日に1回へ設定し直すことになって、これが地味に面倒なんです。結局うろ覚えのまま飲むことになり、薬を減らすどころか、症状を悪化させてしまったこともありました。
こんにちは、ゆずです。夫婦の家計簿アプリに続いて、相棒のAI(Claude Code)と一緒に作った「自分専用アプリ」の第2弾。今回は、私の飲み方に合わせたおくすり手帳アプリの話です。
先に結論を言うと、薬の管理で大事なのは、きれいに記録することではなく「次にいつ飲むかを、考えなくても分かるようにしておく」ことでした。それと、記録をサボった日があっても、あとから直せること。人間は忘れる前提で道具を作る——これがこの記事でいちばん伝えたいことです。
※薬の飲み方そのものは、必ずお医者さん・薬剤師さんの指示に従ってくださいね。このアプリは、指示どおりに飲むための「自分用のメモ帳」です。
ほしかったのは、こんなおくすり手帳【市販アプリが合わなかった理由】

市販のお薬手帳アプリも試してみました。ただ、私が試した範囲では、「毎日決まった時間に飲む」ことが前提のものがほとんどでした。私のような「2日に1回、調子が良ければ3日に1回、症状が出たらひとつ戻る」という段階式の飲み方には、どうも合いませんでした。
整理すると、ほしかったのはこういうものです。
✅ 「次に飲む日」を自動で計算して、画面を開けば一目で分かる
✅ 症状が出たら、ボタンひとつで「ひとつ前の飲み方」に戻れる(お医者さんの指示どおりの動き)
✅ 飲んだら「今日飲んだ」をタップするだけ。記録は数秒で終わる
✅ 薬の残りが何錠あるか分かる(受診のタイミングが読める)
✅ 夜になっても飲んでいなかったら、スマホに通知が来る(間隔が変わっても、設定し直しは不要)
この条件をAIに伝えて作ってもらったのが、スマホのホーム画面に追加して使うWebアプリです。前作の家計簿と同じく、プログラミングは私はしません。私は「こう使いたい」を伝える係です。
こんな人に向いている:毎日ではない飲み方の薬がある/市販のお薬手帳アプリがしっくりこなかった方
薬の登録は、説明書をカメラで撮るだけ【手入力いらず】

地味に気に入っているのが、薬の登録方法です。
実はこのアプリ、飲み薬だけでなく塗り薬の管理にも使っています。塗り薬って、種類が多いんですよ。顔専用、まぶた専用、体用……。しかも「続けて使うのは1週間以内」のような注意書きが、それぞれ違う。「顔の塗り薬、どれだっけ……」と、毎回説明書の紙を探し出しては確認していました。
そこで、薬局でもらう説明書(薬の名前や使い方が書いてある紙)を、スマホのカメラで撮る。するとAIが紙を読み取って、薬の名前・使い方・注意書きを自動で登録してくれます。もちろん読み取り結果は、登録する前に自分の目で確認します。
迷ったらアプリを開けば、「これは顔用」「これは1週間以内」がすぐ分かる。紙の説明書を探し回ることも、カタカナの長い薬名を手で打ち写すこともありません。
こんな人に向いている:塗り薬を何種類も処方されている方/「これはどこ用だっけ?」と説明書を探した経験のある方
一番の発明は「あとから記録」でした【忘れる前提の設計】

使い始めてすぐ、想定外の問題が出ました。
飲んだのに、記録を忘れるんです(笑)。
夜、薬を飲むと安心して、そのまま寝てしまうんです。アプリのボタンは押し忘れたまま。翌日アプリを開くと「昨日は飲んでいない」ことになっていて、次に飲む日の計算がずれてしまう。最初のバージョンは修正もできない作りだったので、こうなるとお手上げでした。
そこでAIに相談して、「過去の日付を選んで、あとから記録できる」機能を足してもらいました。間違えた記録の取り消しも、あとからできるように。
完璧に記録し続けられる人なら、こんな機能は要らないんです。でも私は忘れる。忘れる自分に合わせて道具の方を直す——自作アプリのいちばんの強みは、ここだと思います。
失敗談:飲み忘れ通知が、実は動いていませんでした【作った≠動いている】

ここからは、失敗談です。
このアプリには「夜になっても飲んでいなかったら、20時と21時にスマホへ通知する」機能を付けてもらいました。作った当時は、設定画面が「通知オン」になったのを見て、「これで飲み忘れゼロ!」と満足していたんです。いま思えば、通知が実際に届くところまでは確認していませんでした。
ところが先日、ふと気づきました。……そういえば最近、通知を見た記憶がない。そして私は、結構飲み忘れている。
AIに調べてもらったところ、衝撃の事実が判明しました。通知の仕組みは毎日きちんと動いていたのに、通知の「送り先」の登録が、実は最初からできていなかったのです。つまり、誰にも届かない空振りを毎日続けていました。
そこからは、AIと原因探しです。まず、失敗しても画面に何も出ない作りだったので、「どの工程で失敗したか」を表示する仕組みを入れてもらいました。私がスマホで通知オンのボタンを押し、出てきたエラーの文言をそのままAIに伝える。AIが直して配信し、私がまた押す。画面の隅に「v4」「v5」と版数も出して、古い画面を見ていないか確かめながら、これを何往復か繰り返しました。

すると、失敗する場所が「鍵の受け渡し」→「サーバーへの保存」と一歩ずつ絞れていき、最後は通知まわりのプログラムの設定ミスにたどり着きました。直した今は、通知をオンにした瞬間にテスト通知が届いて、その場で「ちゃんと動いている」ことを確認できるようになっています。
この一件の学びはシンプルです。
💡 「作った」と「ちゃんと動いている」は別物
💡 道具は、失敗を黙って隠さず「教えてくれる」作りにしておく
💡 「確認した」と言えるのは、実際に届くところまで見届けたとき
家計簿のときも思いましたが、アプリは作って終わりではなく、使いながら直していくものですね。
使ってみて、何が変わったか【ビフォーアフター】
いま、アプリのホーム画面はこんな感じです。

※画面内の薬の名称は、実際の名前ではありません。
「昨日飲んだっけ?」と記憶をたどる時間が、ゼロになりました。
| 困りごと | アプリを作ってから |
|---|---|
| 昨日飲んだっけ? | 開けば「次に飲む日」が一目で分かる |
| 症状が出たら何日から数え直し? | ボタンひとつで前の段階に戻る |
| 飲んだのに記録し忘れた | あとから日付を選んで入力できる |
| 夕方まで飲み忘れる | 18時・20時にスマホへ通知 |
| 薬がいつ切れるか分からない | 残数表示で受診の予定が立つ |
実はこの薬、これまで何度も減薬に失敗してきました。うまくいけば数か月単位の長い付き合いになるからこそ、「覚えておく」仕事はアプリに任せて、今度こそあせらず上手に付き合っていきたいと思っています。
おわりに
今まで薬の飲み忘れには、カレンダー通知を使ったり、一般のおくすり手帳アプリを試したりしてきました。いまは、AIに「こう使いたい」を伝えれば、自分の暮らしに合わせた道具を作れる時代です。プログラミングができなくても、です。
もちろん今回の通知の空振りのように、作ったものがいつも完璧とは限りません。だからこそ、直しながら育てていく過程も含めて、自分専用の道具は愛着がわきます。
「毎日じゃない飲み方の薬、管理が面倒だな」と思っている方。カレンダーの書き忘れに心当たりのある方。こういう解決のしかたもあるんだ、と頭の隅に置いてもらえたらうれしいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました😊
